茶会でお茶をいただく。いけばなを愛でる。雅楽に酔いしれる。能や狂言、歌舞伎の舞台を鑑賞する―。
伝統文化・伝統芸能の奥深い世界を覗いてみましょう。

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狂言

狂言の特色を知る

小道具と持ち物

狂言の舞台には能と同様に大道具はなくても、さまざまな小道具が登場します。その代表的なものが葛桶(かずらおけ)でしょう。鬘桶とも書き、もともとは頭につける鬘をしまう道具でした。能ではもっぱら床几としてシテが腰をかけるのに使っていますが、狂言になると、床几ばかりか小道具としていろんな役目を果たします。

たとえば、人気曲の『附子(ぶす)』ではお砂糖の壺になり、『千鳥』では酒樽の代わりを勤めます。あるいは案山子(かかし)の胴体にもなり、柿の木の代用としても使われ、蓋だけで大盃に用いることもあるのです。そのほかにも笠や法螺(ほら)貝、太刀に杖、鍬や鋤など狂言師が手にして登場する小道具は数限りなくありますが、能と同様、どの曲にも欠かせないのが扇です。

あおいで風を送ったりするのはむろんのこと、お酌の仕草や筆や包丁の代わりの働きも。また扇子1本で大扉を開ける演技にも使われる、すぐれ者の小道具と言えるでしょう。

千鳥の扇子

著者紹介

西村彰朗

演劇評論家。歌舞伎にほれ込んだのをきっかけに、演劇雑誌や新聞などに劇評を多数執筆。
著書に「風姿~能を見に行こう~」(光村推古書院刊)ほか。文化庁芸術祭企画委員、芸術選奨選考委員など歴任。
元京都新聞論説委員。

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