生活の知恵がぎっしりつまった京町家、京ことばの響き、舞妓さんとすれ違う花街、
町を彩る季節の着物など、京都らしさを発見できるかもしれません。

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町家

町家のパーツを知る

犬矢来とばったり床几

「犬矢来(いぬやらい)」とは町家の表部分にある、ゆるやかなカーブを描く垣根のことです。語源はおそらく犬や猫などの小動物が軒下によって尿をひっかけないようにするための装置というところでしょう。小さな朱塗りの鳥居が貼ってあるのは、マナーの悪い人間対策です。放尿以外にも、実際、柱や板塀の地中近くの部分は水が飛び散ってきますので、腐食がほかの所よりも早く進みます。車馬のはねる飛沫(ひまつ)や雨が地面に当たって、跳ね返ったりもしますので、かなり傷みやすい部分です。

その痛みや腐りを少しでも防ごうと考えられたのが、「犬矢来」です。また「駒寄せ」という馬を留めておく空間にはこの「犬矢来」は張っていません。ですから昔は、この「駒寄せ」の空間とそれ以外の空間を区別するためにも重要な要素だったのかも知れませんね。材質としては、本来カーブを出しやすい竹で作られているのですが、最近ではよく見ますと金属製のものもあり、その上からベンガラを塗ったりもしていますので、遠くから見ただけではその材質はわかりません。

犬矢来

著者紹介

小嶋一郎

京都産業大学日本文化研究所上席特別客員研究員。京都検定1級初代合格者。
京都の文化財や文化などをPRする「宣京師」として講演・執筆活動中。
著書に『もっと京都がわかる250問』(淡交社刊)ほか。

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