ハレの日のごちそうから普段のごはんまで、四季を大切にする京都のおいしい食べもの。
おなかを満たして旅を楽しみましょう。

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京のごちそう

ごちそうを食べよう

普茶料理

普茶料理は、江戸時代に中国から渡来した黄檗山(おうばくさん)萬福寺(まんぷくじ)の開祖、隠元(いんげん)禅師によってもたらされたといわれる中国風精進料理。うなぎのかば焼きやかまぼこなど、精進料理としてはあり得ない料理の数々が登場するのも特徴のひとつです。初めて食卓を囲むと非常に驚きますが、これらはすべて「もどき料理」で、動物性の食材は一切使わず、豆腐や麩、野菜などの植物性の食材で作られているのです。例えば、うなぎのかば焼きは、すりおろしたゴボウと豆腐、焼のりなどで作るといった具合。なぜ手の込んだもどき料理を作るのか不思議に思いますが、そもそも寺がお客をもてなすための工夫から生まれたもので、修行僧などは普段口にできない料理といわれます。

普茶料理には、飲食は平等という仏教の教えが基本にあり、「普(あまね)く衆に茶をふるまう」という意味があります。楽しく食卓を囲んでほしいという、もてなしの心が、ユニークなもどき料理に表されているのです。

普茶料理

著者紹介

長友麻希子

フリーライター。同志社女子大学非常勤講師、担当は「京の食材論」。
武庫川女子大学大学院でタピオカの研究に励み、現在は食文化を中心に取材・執筆活動を行っている。
好きな食べ物は和菓子と鱧ずし。著書に『にっぽん食探見』(京都新聞出版センター刊)。

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