風光豊かな北区の自然−川物語
 
賀茂川より北山を望む
北区は多くの京の川の源流をなしています。主な川の源流や流域を歩いてみましょう。
 賀茂川(鴨川)の源流の一つは雲ヶ畑(くもがはた)。北区で最高峰の桟敷ヶ岳(さじきがたけ)(896m)に源を発し、杉を育て、豊かな山菜・野花を育み、岩魚・鮎などを住まわせ、周辺の清流を一つにまとめて市街地へと向かいます。また土地の人々は昔から、都に流れるこの川を汚してはいけないと、大切に守ってきました。そのため今でも、特別天然記念物のオオサンショウウオが住む美しい流れが続いています。
 その昔、院政を始めたことで知られる白河法皇はこの川の流れを「天下三不如意」の一つにあげ、思い通りにならないと嘆いたといいます。今ではそれほどの暴れ川も、冬には上賀茂御薗橋(かみがもみそのばし)のあたりをユリカモメが舞い、春には出雲路(いずもじ)の桜の堤に市民が憩う、おだやかな京の顔になっています。
 上賀茂神社の御神体とされる神山(こうやま)からは、明神川(みょうじんがわ)が流れ出ています。同神社の境内に入ると御手洗川(みたらしがわ)。葵祭では、斎王代(さいおうだい)らがこの流れで身を清めます。楼門(ろうもん)の南で御物忌川(おものいがわ)と合流して奈良(楢)の小川となり、境内を出て再び明神川となって社家町を東へ流れます。
 古くから上賀茂の特産品として知られる「すぐき」は、この川の水で育ったすぐき菜を塩漬けして乳酸発酵させたものです。
 鷹峯(たかがみね)に端を発するのは天神川(てんじんがわ)です。金閣寺あたりから少し北に足をのばした「しょうざん」付近は、都会にありながら谷川の雰囲気。昔はこの川の水で紙を漉いたことから、紙屋川(かみやがわ)とも呼ばれています。
 京都と京北町(けいほくちょう)を結ぶ周山街道に沿って流れる清滝川(きよたきがわ)。上流へと溯れば、大森周辺の桟敷ヶ岳や飯森山(いいもりやま)などに至ります。この川こそ、磨き丸太となる北山杉を育んできた流れです。
社家の町の朝 天神川